マニュアル・ワールドガイド・プレイガイドでは、
「ヒロイックソングス!」をプレイする上で必要な情報がまとめられています。
華乱葦原(からんあしはら)は、人と妖怪がまじり、あるいは争いながら歴史を紡いできた世界です。
大陸『葦原』をまたにかけ、人妖別たれた『華叢大戦(はなむらのおおいくさ)』が終わって十余年。
戦のなくなった太平の世で、人と妖怪は歩み寄りながらも互いに二の足を踏みつつ、共存の道を探っています。
美しく反った瓦の屋根や、白砂の如き漆喰の壁の織りなす街並みは、まさに日本の江戸時代を思い起こさせます。
葦原全土を巻き込み、人と妖怪が地上の覇権をめぐって争った大乱です。
この戦によって多くの村々が更地に変わり、街が墓と化し、城が廃墟となり果て、数え切れないほどの人と妖怪の血が流れました。
酸鼻を極める凄惨な戦であったことは、口伝に語り継がれるところですが、全貌を知るには資料が不足しています。
幾度もの焼き討ちや焚書によって、今となっては長い戦いを示す断片的な記録が見られるのみで、一体いつから始まったのか、なぜ起こったのかさえおとぎ話に紛れてしまっています。
そのため、人と妖怪はいまだに、互いを理由もなく嫌悪する気持ちを、忘れられずにいるのです。
長かった華叢大戦が集結しましたが、世相はいまだ乱れておりました。
天照舞の奇跡を経ても、すべての人々がそれを仰いでいるわけではなかったのです。
そのため、諸国の城主たちは、戦前から用いていた部下たちを、その平定に振り向けることにしました。
それは戦場を駆ってきた侍や、日陰から戦ってきた忍者や陰陽師、市井にありて奇跡をもたらす巫たちでした。
彼らはこの太平の世に、新たな役目を見出しつつある者たちです。
葦原の地では、人も妖怪もなく、前触れなしに暴れだす『黄泉憑き』と呼ばれる現象があります。
明確な原因は分かっていませんが、黄泉の瘴気が漏れ出しているためと見る者もいます。
『黄泉憑き』の症状は様々です。
その体が変異してしまう者、一定の時間だけ症状が出る者、見た目は何も変わらない者……
自覚のある無しに関わらず、自身の欲望や怨みに忠実になって凶行に走ることが多いとされています。
症状が進み、より正気を失った存在となった例もあるといいます。
黄泉憑きから回復する例も、気を失うまで攻撃したら治ったという者から
精神的キッカケによって治ったという者まで様々報告されています。
一方で、治ることなく完全に『この世ならざるもの』になってしまった者もいます。
葦原に住まう者に確かな話は伝わってはいませんが、高天原の天津神たちと、黄泉に住まう悪鬼たちは、葦原の地をかけて永い間戦い続けているといわれています。
巫たちの中には華叢大戦をその戦いになぞらえ、あるいは重ねてみる者もありました。
黄泉憑きが初めて取り沙汰されたのは、華叢大戦が終わってすぐのこと。
それまで人に偏っていた巫の奇跡に分け隔てがなくなったのも、それと時を同じくしています。
また、大戦のさなかには、妖怪の中には正気を失い猛獣の如く使われるものがいたという記録があります。
そのような事情があり、巫たちが嘯いていた『神々の戦との重なりあい』は、注目を集める不吉な迷信となっています。
樹の国の舞芸者たちはそのほとんどが、技のほどや功績に応じて“芸格”を持っております。
芸格は舞芸者の実力や集客力を現す指標であるため、高ければ高いほどその舞芸は人々から注目されることになります。
芸格を上げていけば、大きな会場で公演を開いたり、格の高い舞芸者と競ったり、
あるいは貴族たちに芸を披露したりすることができ、ただ観客に認められるだけでなく、社会的な地位も向上していくのです。
さらに、高い芸格を持つ舞芸者ともなれば、真に優れた大御所などから、秘伝の技を伝授されることもあるでしょう。
そのため、舞芸者たちは芸格を上げるべく日夜その技を磨き続けています。
そして舞芸者はもうひとつ、「歴史の守り人」という側面を持っています。
華叢大戦から十余年、文化の担い手であった舞芸者たちが、復興の大きな助けになっていた歴史があります。
動乱のさなか、時には武器を取り、黄泉憑きや不埒者から人々を守ることも必要でした。
今まで人と妖怪が手を取り合って生きてこられたのは、舞芸者がその調和を大切に守ってきたからといえます。
そうした経緯から、舞芸者は単に芸の腕前のみでなく、人々を助けることや、争いを起こさないことなど、
今まで築いてきた人と妖怪の調和を守るという、重要な役目を帯びています。
そのため、人々を救いうる『あり方のお手本』としての舞芸者にも、芸格は与えられます。
※特定のシナリオでは一定以上の芸格を装備していることで参加できるパートがあります。
また、一定以上の芸格を装備していると特別な報酬を受け取ることができるクエストなどもあります。
★“芸格”に関する詳しいルールはコチラ!
守成の孫娘に当たり、戦没した彼の息子の忘れ形見。
父が討たれたのち、流行り病で母をも失い、それからの半生を桜稜郭で守成とともに過ごしてきました。
今は奔放な祖父に代わって桜稜郭を仕切っており、藩主の名代を立派に務めています。
両親を失って育ちながらも健やかな心を持っており、妖怪顔負けの凄みで海千山千と渡り合う一方、明るく負けず嫌いなところには、十六歳の乙女らしさが垣間見えます。
離れた港町に拠点を構える豪商。株町の顔役でもあります。
桜稜藩の興りが噂に聞こえ始めたころ、商売の匂いを嗅ぎつけて桜稜廓へやってきました。
彼が桜稜廓に構えた問屋は、その圧倒的な流通力から、藩の発展に大きく貢献しています。
商人で、さらに妖怪ともなれば、人間たちに怪しまれるのもいまだ仕方のないことであるが、そこを口八丁で客にしてしまう手並みはさすがのもの。
老いてなお色気を失わぬお茶目な一面もあり、同業者からも好かれる気持ちのいい御仁です。
ただ、その人柄ゆえに、方々の厄介事が持ち込まれることも少なくないようです。
黄泉に眠る魂と、その災いを鎮めるために建てられた床町の宮寺『燈台寺』住職。
八百万の神々を祀るための神社ではないため、建物や装束は、神社のそれと趣を異にしています。
情に厚い性格をしており、住処を追われた妖怪や、身寄りを失った人々を温かく迎え入れ、共同生活を営んでいます。
寺の中で自給自足が成り立っており、戦の情勢にあまり左右されず生きているため、世間のことには疎い面もあります。
桜稜郭のあちこちに顔の利く、気のいい世話人の青年です。
座の斡旋にはじまって、祭りや催しの仕切りなど、舞芸に関する様々なことを一手に引き受けています。
彼自身がもともと芸事を見るのが好きで、それが高じていまの仕事をしているのだとか。
その人柄と旺盛な行動力があいまって、舞芸者や同業の世話人などから厄介事を持ち込まれることも多々あるようです。
齢三十そこそこの見た目をしているにもかかわらず、一部のものからは「ご隠居」などと呼ばれ、
さらには桜稜郭ができた当初から復興活動にも従事していたという噂もあるやらないやらで、
とても頼もしい反面、その正体には何かの秘密があるようです。
桜陵郭を守護する陰陽師。
狐の妖怪を母に持つ、長い銀髪と頭の耳が特徴的な半妖の青年です。
親から授かった名は別にあるようですが、陰陽師というお役目柄、隠して生活しています。
逝ってしまった母の遺言に従い、街と人々を守っているものの、その母の死因が
内輪揉めの果ての理不尽きわまる処刑であったため、今も人をひどく憎んでもいます。
日ごろは凄然とした印象を振りまき、他人を寄せ付けないようにしていますが
同じく城に住まう此花にはとても慕われており、それを無碍にはできないようです。